第3回 『研究計画・方法(概要)』を書くときのポイント-研究者必読!科研費申請書をより良くするためのポイント
前回、『【第2回】 “研究目的”を書くときのポイント』では、記載する内容を3つのパートに分け、研究の目的や意義、独創性など明確にする書き方を紹介しました。今回の第3回では科研費申請書の「研究計画・方法(概要)」の項を書く際のポイント・注意点を、実際の記載例をまじえてご紹介します。
研究計画・方法(概要)に書くべき項目は2つ。「研究の目的」と「研究の方法・メソッド」である
まず研究目的を復唱しているか?研究目的をもういちど2行ほどでまとめて冒頭に書いておくこと。研究目的を実現するための研究計画であることを忘れずに。
(あまりよくない例)
いきなり調査項目を書かない!研究の目的は?研究目的があってこその調査項目である。
なぜよくないのか?
(研究計画・方法(概要))の例文では、いきなり調査項目(研究項目)を書いているが、概要にはまず研究目的を簡単に(2〜3行以内で)書いて、研究目的を復唱してほしい。研究目的あってこその、実際の調査・研究である。研究目的を実現するための手段が研究計画・方法である。
どのように改良すればいいか?
まずは研究目的を復唱復習すること。概要にはまず研究目的を簡単に(2〜3行以内で!)書いて、研究目的を復唱しておいてほしい。審査委員がはこの申請書を読むのは今日のこの時が始めてであるから、ここまで読んでくると研究目的は少しぼやけている。そこでもう一度、研究目的を復唱復習して審査委員に印象づける。
(改良したもの)
最初の2行は「研究目的(概要)」から「研究目的」の部分を持ってきた。
研究目的を復唱したあとには、研究計画・方法を6行くらいにまとめる
研究計画・方法は年度ごとの計画を書いたり、箇条書きにするとわかりやすい。
なぜよくないのか?
例では実験項目が多くてわかりにくい。そして具体的な実験項目(研究項目)を文章で続けて書いているので審査委員は把握しにくい。こういったときには、箇条書きを使うとよい。また冒頭4行は、申請者らがこれまでに行ってきた研究の概要や予備的な実験結果だが、少々長すぎる。
どのように改良すればいいか?
具体的な実験項目は文章で続けて書くよりも、1), 2), 3) と箇条書きにすると、審査委員も把握しやすい。
淡路島生まれ。1988年宮崎医科大学大学院博士課程修了(医学博士)。
日本学術振興会特別研究員を経て、1993年国立循環器病センター研究所生化学部室員、1995年より同室長。2001年より久留米大学分子生命科学研究所遺伝情報研究部門教授。
研究テーマは未知の生理活性ペプチドの探索と機能解明。グレリンを中心とした摂食・代謝調節の研究。趣味は山登り、クラシック音楽、読書、映画鑑賞など。山は槍ヶ岳が一番好き。「研究は山登りであり、研究者は山に登らなければならない」と、思いませんか?クラシック音楽はもっぱら聴くだけ。CD購入枚数は年間500枚以上で、最近は完全に飽和状態。活字中毒。出張で時間があれば映画館へ。著書:「科研費獲得の方法とコツ」(羊土社)
科研費獲得の方法とコツ 改訂第4版〜実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略
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若手研究者必見! 科研費申請書をより良くするためのポイント
- 【第1回】『 研究目的(概要)』 を書くときのポイント
- 【第2回】『 研究目的 』 を書くときのポイント
- 【第3回】『研究計画・方法(概要)』 を書くときのポイント
- 【第4回】『研究計画・方法』を書くときのポイント
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