英語で間違いやすい用語や表現 “大文字・小文字の使い分け“ (4) ~初級アカデミック英語講座~
■出典:学術英語アカデミー パケット道場~初級アカデミック英語講座~
◎前回『英語で間違いやすい用語や表現 “大文字・小文字の使い分け“ (3)』はこちら
◎4回にわたって解説してまいりました、大文字、小文字の使い分け今回が最終回となります。
頭字語
頭字語(とうじご:ある語句を構成する各語*の最初の文字を並べ、略語としたもの)は一般的にすべての字が大文字になります。元々の表現が固有名詞(例えば、「APEC」(Asia Pacific Economic Cooperation)、「UN」(United Nations))であるか、普通名詞(たとえば、「RG」(renormalization group)、「CD」(compact disc))であるかは関係ありません。しかし例外もあり、大文字にならない頭字語も存在します(たとえば、「radar」(radio detection and ranging)、「laser」(light amplification by stimulated emission of radiation)など)。
* ほとんどの頭字語は各語の先頭文字から構成されますが、たとえば次のような例外もあります:「UNICEF」(United Nations Children’s Fund)、「TV」(television)、「AFDB」 (African Development Bank)、「NAACP」 (National Association for the Advancement of Colored People)。
文章の中の文章
以下の例文は「文章の中の文章」という特別な構文を表します。
- The girl said, “You should not come here again.”
- The most important question is Does this divergence represent actual physical behavior?
(1)の例文は典型的な引用の形を示します。この場合、「You」が引用される文の文頭に置かれているため、Yが大文字になっています。(2)の例文はやや特殊なケースです。ここで「Does…behavior」は句でも節でもなく、完全文であるということに注目してください*。このような場合でも、文頭にくる単語は大文字で始まらなければなりません。(2)をより一般的な表現に変えると次のようになります。
- The most important question is the following: Does this divergence represent actual physical behavior?
* 文法的に見ると、この文章は主文の主語「question」の補語(いわゆる主語補語)となっています。
1)「頭字語」は一般的にはすべて大文字
※頭字語とは、ある語句を構成する各語の最初の文字を並べ、略語としたもの。
※ただし、必ずしも最初の文字ではない場合もある。(例:「AFDB」African Development Bank)
2)「文中の文章」は始まりは大文字
1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。
1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術英語指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから。
出版社: 京都大学学術出版会 (2004/09)
言語: 日本語
ISBN-10: 4876986290
ISBN-13: 978-4876986293
発売日: 2004/09
商品パッケージの寸法: 22 x 15.5 x 4.5 cm
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