まるで透明マント?!光学迷彩装置の実現へ前進 – 理研と東工大
Photo by Bill Burris
理化学研究所(理研)の瀧雅人研究員と東京工業大学の雨宮智宏助教と荒井滋久教授らの共同研究チームは、非対称な光学迷彩を設計する理論を構築したと発表しました。
この研究は、米国の科学雑誌『IEEE Journal of Quantum Electronics』に掲載され、2015年3月/4月号の表紙に選ばれました。
光学迷彩とは、光を自在に曲げる装置を開発することにより、物体や人を光学的に見えなくする技術です。最近では、メタマテリアルと呼ばれる人工素材の特異な光学的性質を用いた、まるで透明マントのような光学迷彩装置の研究が進められています。
これまで研究されていた光学迷彩装置は、向かってくる光を閉鎖されたシールド領域から迂回させることで装置自体を見えなくさせる仕組みでした。その仕組み上、「外部からシールド領域が見えないが、シールド領域の中からも外が見えない」という”対称的な振る舞いをする”欠点を持っていました。
共同研究チームは、光に作用する「仮想的な電磁気力の理論」を用いて「外部から見えず内部から外が見える」非対称性を持つ光学迷彩を設計する理論を構築しました。
研究はまだ理論に留まっていますが、理論とメタマテリアル開発が進展することにより、非対称光学迷彩の実現が期待されています。
米国の科学雑誌「IEEE」への掲載論文など、以下に関連情報をご紹介いたします。
関連情報
・非対称な光学迷彩装置を理論的に実証-光を自在に曲げることで物体を見えなくする理論 – 理化学研究所
・Optical Lattice Model Toward Nonreciprocal Invisibility Cloaking – IEEE掲載論文
・光の伝搬経路を自由に調整できる光学迷彩装置の実現へ前進 – 理研と東工大マイナビニュース
・非対称な光学迷彩装置を理論的に実証-光を自在に曲げることで物体を見えなくする理論 – 理化学研究所
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