行動しながら考えよう 研究者の問題解決術

研究活動を続けていくなかで、その時におかれた状況や環境においてさまざまな課題に直面する事があると思います。

この春、新たに院生に上がったり、初めてラボを立ち上げた方の中には数か月たち、既にさまざまな悩みを抱えている方がいらっしゃるかもしれません。
そういった若手の研究者の方にこの夏おすすめしたい一冊が、今回ご紹介する『行動しながら考えよう 研究者の問題解決術』です。

実体験に基づくケーススタディ

本書は、海外経験を含め、経験豊富な著者のさまざまな研究現場での実体験に基づく課題と、それに対する解決方法がケーススタディごとに整理されているのが特徴です。
その内容も、実際にありそうなケーススタディが挙げられていて、今すぐに活用できそうな内容になっています。

いくつか例を上げます(一部抜粋)

  • ケース2:大学院生Bさん ~教授がお気に入りのラボメンバーをひいきするんです…
  • ケース5:助教Eさん ~「来年には留学するつもり」とうそぶいたものの、行動に移せない自分がいます…
  • ケース9:大学院生Iさん ~研究者として成功する自信がありません…

クイックアンサーとオルタティブアンサー2つの視点からロジカルに課題解決方法を提示

本書は、例示されたさまざまなケース課題について、クイックアンサーとオルタナティブアンサー2つの視点から、ロジカルに解決方法を提供しています。
多くの課題は、メンタルに起因する事柄が多く、一見それらの課題はロジカルに整理できなさそうですがそれを見事に論理だてて課題への向き合い方(あるいは折り合いのつけ方)を伝授していきます。
実際の解決方法について以下、目次の章立てでご紹介します。

序章 悩める若手研究者とその卵たち12のケース

第1章 行動しながら考えよう
    ―Thinking While Acting

第2章 ネガティブな感情を活用しよう
    ―ネガティブな感情を避けるのではなく、自身の成功を導くものに転化させる方法

第3章 研究者は営業職。視点を切り替えよう
    ―研究室内の上司-部下の関係を良好にするための方法

第4章 研究室での自分の立ち位置を分析してみよう
    ―PI原理主義に染まって視野が狭くなった状態を脱却する方法

第5章 情報化社会だからこそ「暗記力」を強みにしよう
    ―暗記力と理解力を鍛えて知的生産性を上げる方法

第6章 新しいことをはじめてみよう
    ―進むべき道を探求し、自分で選んだことに自信を持つ方法

第7章 戦略的に楽観主義者になろう
    ―失敗に対する耐性をつけ、研究を好転させていく方法

あとがきにかえて

実は指導者層に向けて書かれている~ベテランの方にも是非手に取ってほしい一冊

本書は若手の研究者への課題解決としているのですが、実はベテランの指導者の方に向けて書かいていると著者があとがきのなかで話しています。

若い人の悩みに答えているように見えるけれど、実は若い人にこういうふうに悩みを相談されたときに、指導者層はどう振る舞うべきかについて書いています。

幅広い層に読んでいただきたい良書です。


行動しながら考えよう 研究者の問題解決術

行動しながら考えよう 研究者の問題解決術
単行本: 239ページ
出版社: 羊土社
著者:島岡 要
言語: 日本語
ISBN-10: 4758120781
ISBN-13: 978-4758120784
発売日: 2017/3/29
商品パッケージの寸法: 19 x 13 x 1.8 cm