知らないと損をする学術英語の基礎

■出典:学術英語アカデミー パケット道場~初級アカデミック英語講座~

研究者にとって、国際舞台で自身の研究結果を発信するために英語は必要不可欠なツールのひとつ。しかし、ビジネス用の英語レッスンは巷にあふれていても、学術研究者向けの英語を教えてくれる場はほとんどないのが実情です。初めての英語論文の執筆や学会発表は、研究室の先輩や仲間の見よう見まねで乗り越えた……という方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、初めて英語論文を書く方や学術英語の基礎をもう一度押さえたいという方のために、自らも物理研究者であり、長年京都大学で英語指導を行ってきたパケット先生が、研究者による研究者のための“使える”英語論文執筆の基礎知識をご紹介します。

◎前回『英語における句読点の基本 “セミコロン”』はこちら

◎今回は「far」の比較級「farther」と「further」の使い分けについてご紹介します。

fartherとfurther

形容詞・副詞の働きをする「farther」と「further」は両方とも「far」の比較級であり互換性もありますが、意味上の重要な違いもありますので注意が必要です。

2語とも「より遠い(遠く)」、「もっと先(に)」、「遠い方の」という意味で用いられますが、一般に「farther」は物理的な距離に、「further」は非物理的な距離に対して用いられます。下記にその使い分けの例を示します。

  1. I walked 10 km farther than I needed to.
  2. The two groups’ positions on the key issues were further apart after the meeting than before.

また、「further」は「farther」より広い意味を持ち、「farther」にはない「さらに」、「その上(に)」、「さらなる」という意味も持っています。以下にそのような場合の用例を示します。

  1. Further discussion of this point is given below.
  2. They requested further funding for their research.
  3. This is the first experiment of its kind to yield such clear results. Further, it was performed using a very simple technique.
◆今回のポイント
1)一般的に「farther」は物理的な距離に、「further」は非物理的な距離に対して用いられる
2)「further」は「farther」より広い意味をもつ
 ・「further」は、「さらに」、「その上(に)」、「さらなる」という意味も持っている
『間違いやすい用語や表現 “abbreviate”』につづきます
Glenn Paquetteグレン・バケット(Glenn Paquette)
1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。
1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術英語指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから

科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現
単行本: 688ページ
出版社: 京都大学学術出版会 (2004/09)
言語: 日本語
ISBN-10: 4876986290
ISBN-13: 978-4876986293
発売日: 2004/09
商品パッケージの寸法: 22 x 15.5 x 4.5 cm

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