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筑波大学主催の国際シンポジウム「Tsukuba Global Science Week (TGSW) 2016」が2016年9月17日~19日、つくば国際会議場で開催されました。

7回目の開催となる今回は、「産官学連携とイノベーション」を全体テーマに据え、産官学界から有識者が招かれ、オープンイノベーション、起業家教育、クラウドファンディング等を扱う分科会が実施されました。
http://www.kokuren.tsukuba.ac.jp/TGSW2016/j/index_j.html

当社はその中のセッション、「Research Fund 2.0 -新時代の多様な研究費事情-」(9月18日)に登壇し、民間助成団体からの助成の現状やコラボリーを紹介するとともに、続いて行われたパネルディスカッション「-Research Fund 3.0に向けて-」にて多くの方々と意見交換をして参りました。

国や財団などの大きな組織から研究費を獲得していた時代を「Research Fund 1.0」とするならば、寄附やクラウドファンディングなど、一般の個人から研究費の支援を受けることが容易になった現在は「Research Fund 2.0」の時代といえるでしょう。セッションではまず、多様化する研究費獲得事情についての報告がありました。

セッションプログラム

最初に現状をセッション参加者と共有するため「Research Fund 1.0」、すなわち国、民間から得られる研究費について発表がありました。

国から得られる研究費:筑波大学URA 加藤英之氏

最初に登壇したのが筑波大学URAの加藤英之氏で、科研費に代表される国が行っている助成事業について報告されました。

最初に現状をセッション参加者と共有する意味で、科研費の種類や金額、研究者はどれくらい科研費をもらえるチャンスがあるのか、大学からもらえる研究費はあるのかなどについて触れられた後、予算減少により、研究費が先細りしていく中、大学でも新たな研究資金獲得手法を模索している現状を報告されました。

民間助成財団から得られる研究費:株式会社ジー・サーチ 長谷川均

続いて当社より、民間助成団体から得られる研究資金について説明をいたしました。ここで言う民間助成団体は国、地方自治体などの公的機関を除いた機関を指し、財団、企業、学会などが含まれます。

最初に、研究助成プログラムを提供している団体数が900以上(コラボリー/Grantsデータより)あるにもかかわらず、研究者にはほとんど知られていない現状と理由について報告いたしました。民間助成団体から得られる研究費は使い勝手がよい反面、金額が小さく、何より採択率が低いというデメリットもあります。しかし、財団担当者へのインタビューから、助成プログラムの趣旨を理解することにより、かなり採択率を上げることができること、そして何より財団側は若手研究者を応援しており、若手研究者こそ挑戦して欲しいというメッセージを送っていることを報告いたしました。

続いて研究助成金以外の研究資金獲得手法として、クラウドファンディング、ファンドレイジング(寄付)、共同研究マッチングについての報告がありました。

クラウドファウンディング:アカデミスト株式会社 柴藤亮介氏

アカデミスト株式会社の柴藤亮介氏より、同社が行っているクラウドファンディングによる研究資金獲得の事例が紹介されました。クラウドファンディングという言葉自体は最近よく耳にしますが、実際にどのように行うかは知らない方も多く、多くの質問が寄せられました。人気のあるリターンは何か、サポーターを増やすためにどのようことが必要か、サポーターが研究のプロではないため、どのように研究の質を担保するのかなど、具体的な質問が多かったのが印象的でした。柴藤氏によれば、研究者に会えること自体がリターンになるとのことでサイエンスカフェが盛り上がるそうです。また、メディアによる間接的な情報拡散ではく、研究者の言葉による直接の情報拡散が重要とのことでした。

アカデミストはコラボリー/Beats!でも取り上げておりますので、ぜひご覧ください。

クラウドファンディングを通じたアウトリーチ活動を目指して!|アカデミストに聞いてみた!(前編)
http://beats.colabory.com/2016/02/22/3803.html
クラウドファンディングを通じたアウトリーチ活動を目指して!| アカデミストに聞いてみた!(後編)
http://beats.colabory.com/2016/02/25/3829.html

寄附:京都大学 iPS細胞研究所 iPS細胞研究基金事務局 渡邉文隆氏

京都大学iPS研究所の渡邉文隆氏よりファンドレイジング(寄付)についての報告がありました。寄付行為自体は従来から行われている研究資金の獲得法ですが、iPS細胞研究所では昨年度24億の寄付を受け付けたとのことです。10人の研究者より9人の研究者+一人の秘書の方が生産性が上がるそうで、寄付は研究者を支援するスタッフを雇用するために使用されているとのことです。資料請求フリーダイヤルを設置して以来、寄付が増加しており、山中先生もプレゼンの最後に0120-80-8748(ハシレヤマナカシンヤ)を紹介されるそうです。
渡邉氏は寄付された方への配慮が大切と話されていましたが、質疑応答でも終始丁寧な対応をされていて印象に残りました。

企業と研究者を直接繋げる:株式会社リバネス 坂本真一郎氏

最後に登壇したのが、株式会社リバネスの坂本真一郎氏です。科研費に代表される各種競争的研究資金で採択されなかった研究アイデア、これから申請を検討している研究アイデア、適切な申請先が見つかりにくい研究アイデアなど、研究者が温めている研究アイデアをベースにした研究者と企業のコミュニケーションを通じ、新規研究開発テーマの創出を目指すL-RADですが、坂本氏よりL-RADが生まれた経緯、L-RADでできることについての説明がありました。やはりL-RADについての関心は高く、質疑応答の時間では多くの質問が寄せられました。アイデアの青田買いリスクについての質問もあり、規約での縛り、またコンプライアンス的にしっかりしている企業に提案することによりリスク回避に努めているとのことです。

L-RADについてもコラボリー/Beats!で紹介していますので、あわせてご覧ください。

研究者の未活用アイデアに新たな光をあてる! | L-RADについて聞いてみた!
http://beats.colabory.com/2016/01/08/3415.html

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