若手研究者必見!科研費申請書をより良くするためのポイント

ご好評いただいているBeats!オリジナルコンテンツ『最新データで読み解く!科研費申請の傾向と対策』に続く第二弾『若手研究者必見!科研費申請書をより良くするためのポイント』は、引き続き『科研費獲得の方法とコツ』(羊土社)の著者である児島将康氏により、科研費申請書の書き方のポイントを記入項目ごとに実例をあげて詳しく伝授!特に科研費申請書を初めて書く方、若手研究者の方に是非読んでいただきたいコンテンツです。

本コラムもいよいよ最終回です。今回は科研費申請書の「研究計画・方法」の項を書く際のポイント・注意点を、実際の記載例をまじえてご紹介します。本コラムを、申請書を送付する前のチェックに是非お役立てください。

前回の【第3回】『研究計画・方法(概要)』 を書くときのポイントはこちら

各年度の研究計画の冒頭に、その年度に行う計画のサマリーを書くこと

 多くの申請者は研究計画の中身は年度ごとに書いていくことがほとんどだろう。そのとき、各年度の研究計画の冒頭に、その年度に行う計画のサマリーをまず書いておく。

(あまりよくない例)
研究計画・方法の書き方 あまりよくない例

なぜよくないのか?
 例文では[研究計画・方法]本文の冒頭で、【平成25年度】と書いて、すぐに実験項目(研究項目)を段落ごとに書いている。[研究計画・方法(概要)]から[研究計画・方法]本文に移って、ただ実験項目を順番に書いているだけである。これはオーソドックスな書き方ではあるが、オーソドックスゆえにそのまま読み流してしまい、審査委員の印象には残りにくい。その年度には何を行うのか?

どのように改良すればいいか?
 その年度の実験計画(研究計画)の要約を、冒頭最初の部分に書いておくのがよい。このとき、いわゆるパラグラフライティングの書き方のように、まず要約を書いておいて、その内容を詳しく説明していく。そうするとその年度に行う実験の全体像が把握できて、個々の実験項目を理解しやすい。

(改良したもの)
研究計画・方法の書き方 改良した例

各実験(調査)項目には、「実験(調査)の目的」「具体的な研究手法」「それによってなにが明らかになるかの予想」を書く

 この3つで1セットと思おう。「実験(調査)の目的」を書いていない人がとても多い。

(あまりよくない例)
研究計画・方法の書き方 あまりよくない例(2)

なぜよくないのか?
 例文では[研究計画・方法]においていくつかの調査項目(研究項目)をあげているが、個々の研究項目の目的が審査委員には読み取りにくい。目的あってこその実験や調査である。それぞれの研究項目の目的はなにか、なぜ行う必要があるのか、その研究項目でなにが明らかになるのかを書いておかなければならない。

どのように改良すればいいか?
  論文を書くときには、次のように書く訓練を受けているはずだ。
「なにを明らかにするためにこの実験・調査を行うのか?」→「どのような手法で実験・調査を行うのか?」→「得られた結果は?」→「それによって、なにが明らかになったのか?」
申請書もこれと同じ流れで書く。ただし申請書の内容は未来のことなので、結果とその意義は予想を書く。

個々の実験項目の記載する順番


ライバルが知らない研究助成金をあなたに ご利用登録はこちら

そして、最後の締めをきちんと書くこと

 以上の研究計画でなにが明らかになるのか、どのような展開・応用があるのかを2〜3行で書いておく。

(あまりよくない例)
研究計画・方法の書き方 あまりよくない例(3)
 この4つの例ともあっさりと終わっている。締めの言葉を足すこと。

なぜよくないのか?
 小説でも音楽でも、開始部分と終了部分は非常に大切。作家や作曲者はここに力を注ぐ。申請書の場合も、開始部分と終了部分はとても大切。開始部分の[研究目的(概要)]が重要であることは、言うまでもない。しかし、終了部分はどうだろうか。まず終了部分はどこなのだろう?申請書全体の終了部分は[他の研究費]のエフォートを書く部分であるが、申請書の研究内容に関する終了部分は[研究計画・方法]の最後の部分である。意外にここをあっさりと、研究項目や実験項目でさらっと終わっている例がけっこうある。しかし、やはり最後がきちんと締まっている申請書は印象に残る。全体のまとめが締めの言葉としてほしい。

どのように改良すればいいか?
 『以上の研究によって、〜が明らかになる』『この研究計画は、〜に貢献できると考える』など、締めの言葉を書いてほしい。またこの締めの言葉は[研究目的(この研究ではなにを明らかにしようとするのか)]の最後の復習になる。

 ぜひとも最後の締めをきちんと書いてほしい。
研究計画・方法の最後の締めの書き方 よい例

 以上、申請書を書くにあたっての各項目のポイントをあげた。これらを参考にして、よりよい申請書にブラッシュアップしてください。

kojima_prof_s児島将康(こじま・まさやす)
淡路島生まれ。1988年宮崎医科大学大学院博士課程修了(医学博士)。
日本学術振興会特別研究員を経て、1993年国立循環器病センター研究所生化学部室員、1995年より同室長。2001年より久留米大学分子生命科学研究所遺伝情報研究部門教授。
研究テーマは未知の生理活性ペプチドの探索と機能解明。グレリンを中心とした摂食・代謝調節の研究。趣味は山登り、クラシック音楽、読書、映画鑑賞など。山は槍ヶ岳が一番好き。「研究は山登りであり、研究者は山に登らなければならない」と、思いませんか?クラシック音楽はもっぱら聴くだけ。CD購入枚数は年間500枚以上で、最近は完全に飽和状態。活字中毒。出張で時間があれば映画館へ。著書:「科研費獲得の方法とコツ」(羊土社)

科研費獲得の方法とコツ 改訂第4版〜実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略科研費獲得の方法とコツ 改訂第4版〜実例とポイントでわかる申請書の書き方と応募戦略
単行本: 237ページ
出版社: 羊土社; 改訂第4版 (2015/8/13)
言語: 日本語
ISBN-10: 4758120595
ISBN-13: 978-4758120593
発売日: 2015/8/13
商品パッケージの寸法: 26 x 18.2 x 1.6 cm


■もっと詳しく知りたい方にお薦めの書籍
科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック
単行本: 327ページ
出版社: 羊土社
言語: 日本語
ISBN-10: 4758120692
ISBN-13: 978-4758120692
発行: 2016年8月
商品パッケージの寸法: A5版

若手研究者必見! 科研費申請書をより良くするためのポイント

◆コラボリー/Grants(研究助成)

国内最大級の研究資金・奨励金情報サイト、コラボリー/Grants(研究助成)は会員登録(無料)で、あなたの研究にピッタリの助成金情報をメールでお届けする「My アラート」など、研究資金探しに便利な機能がご利用いただけます。

会員登録(無料)は今すぐ!

登録(無料)はこちら