知らないと損をする学術英語の基礎

■出典:学術英語アカデミー パケット道場~初級アカデミック英語講座~

研究者にとって、国際舞台で自身の研究結果を発信するために英語は必要不可欠なツールのひとつ。しかし、ビジネス用の英語レッスンは巷にあふれていても、学術研究者向けの英語を教えてくれる場はほとんどないのが実情です。初めての英語論文の執筆や学会発表は、研究室の先輩や仲間の見よう見まねで乗り越えた……という方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、初めて英語論文を書く方や学術英語の基礎をもう一度押さえたいという方のために、自らも物理研究者であり、長年京都大学で英語指導を行ってきたパケット先生が、研究者による研究者のための“使える”英語論文執筆の基礎知識をご紹介します。

◎前回『学術著作物執筆における“研究倫理”』はこちら

◎日本語の“文字”を、英語で記述する際場合には、多少の注意が必要なようです。今回は“文字”の表現について改めて確認します。

“文字”の英訳について

日本語の「文字」が「character」または「alphabet」と誤訳されるケースも、しばしば目にすることがあります。「文字」が「character」と訳される場合(すなわち、漢字などの表意文字の場合)もありますが、表音文字の場合、「文字」は概して「letter」と訳されます。また、「alphabet」は、1つの文字ではなく、必ず「文字体系」を意味します。

以下に「文字」の正しい訳の例を示します。

  1. The letters “a” and “b” here indicate the most likely identifications of the corresponding effects.
  2. In this paper, we use Latin letters to represent deterministic quantities and
    Greek letters to represent stochastic quantities.

なお、「letter」という語は比較的狭い意味を持つため、アルファベットの文字とそれ以外の記号を含む記号のセットを示す場合は、より広い意味を表す「character」や「symbol」を使用するのが適切です。以下にその使用例を示します。

  1. Traditional typewriters had the capability of producing approximately one hundred/symbols /characters /,fifty-two of which being the upper- and
    lower-case letters.
◆今回のポイント
 ・表音文字の場合、「文字」は概して「letter」と訳される
 ・「alphabet」は、1つの文字ではなく、必ず「文字体系」を意味する
 ・「letter」という語は比較的狭い意味をさす

   ⇒そのため、ルファベットの文字とそれ以外の記号を含む記号のセットを示す場合は、より広い意味を表す「character」や「symbol」を使用するのが適切

 

『英語で間違いやすい用語や表現 “cannotとcan not ”』につづきます
Glenn Paquetteグレン・バケット(Glenn Paquette)
1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。
1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術英語指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現
単行本: 688ページ
出版社: 京都大学学術出版会 (2004/09)
言語: 日本語
ISBN-10: 4876986290
ISBN-13: 978-4876986293
発売日: 2004/09
商品パッケージの寸法: 22 x 15.5 x 4.5 cm
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