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3月11日、慶應義塾大学理工学部の吉田昭介助教(現所属:京都大学工学研究科ERATO秋吉プロジェクト研究員)と宮本憲二准教授、京都工芸繊維大学の小田耕平名誉教授と木村良晴名誉教授の研究グループ、帝人株式会社、株式会社ADEKAは共同研究により、ポリエチレンテレフタレート(PET)を分解して生育する細菌を発見するとともに、その分解メカニズムの解明に成功したと発表した。
この研究成果は米国科学雑誌「Sciense」に掲載された。

飲料容器「ペットボトル」の名称としても一般的に良く知られるプラスチック原料、ポリエチレンテレフタレート(PET)。PETは熱にも比較的強く、安定(化学反応を起こしにくい事)な点から、ペットボトルだけでなく、衣類やフィルム素材の原料など幅広い用途で利用されている。また、安定的であるがため、これまで自然界では生分解されないという認識が通説であったが、今回の研究はこれを一部覆すもので画期的な成果だ。

PETは安定的であるがゆえに、環境への影響が課題だ。リサイクルも進んでいるが、生産量全体からすればまだわずかなのが現状だ。

世界のPET 樹脂総生産量(2013 年)は、約5600 万トンで、容器包装用(1540 万トン)、フィルム(320 万トン)、繊維(3800 万トン)等に使用されています。リサイクルされているのは、ペットボトルのみで、それはペットボトル生産量(613 万トン)の37%、PET 樹脂総生産量の4.1%に過ぎません

また、リサイクルの課程において現在の化学処理における分解処理はエネルギーコストにも課題があった。今回発見された細菌によりバイオの力を使って分解処理が可能になれば、エネルギー消費を抑えた処理が可能になると期待されている。

リリースによると、大阪府堺市で採取した微生物から発見されたとの事。もともとこの細菌がもっていた能力なのか、PETが世の中に現れたことによって適応したのかわからないが、世界はまだまだ未知な事だらけだ。とりあず、ごみのポイ捨てには気をつけたい。