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企業と大学などの研究者による産学連携、共同研究などオープンイノベーションを促進するソリューション、L-RAD(エルラド)。L-RAD(正式名:「L-RAD(リバネス・池田 研究開発促進システム Powered by COLABORY)」)は、各種競争的資金に採択されなかった申請書など、研究者が持つ未活用アイデアに、産業視点から新しい光をあてようというユニークな取り組みで、2014年11月より研究者向けに公開されました。研究者にとっては、自身の研究アイデアに対する研究資金調達、企業にとっては、通常アクセスできない研究者のアイデアへの早期アクセスを可能とする、オープンイノベーション・ソリューションです。

L-RADの発想はどうやって生まれたのか、その背景にある思いとは。
L-RADを支える株式会社リバネス、株式会社池田理化、株式会社ジー・サーチの3社に伺いました。

株式会社リバネス 執行役員 坂本 真一郎様
株式会社池田理化 営業企画部 山川 啓介様
株式会社ジー・サーチ 新規事業開発室 杉山 岳文
聞き手:株式会社ジー・サーチ 新規事業開発室 長谷川 均
インタビュー 2015年12月25日

研究者の未活用アイデアに新たな光をあてる!  | L-RADについて聞いてみた!

L-RADを支える3社

--本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、コラボリー/Beats!をご覧の方々に皆さんをご紹介したいと思います。それでは坂本さんから簡単に事業内容をご紹介ください。

坂本 真一郎(株式会社リバネス執行役員):リバネスの坂本と申します。リバネスは創業14年目を迎える会社ですが、全員が修士・博士を取得した研究の経験者が集まっている会社です。

研究をしてきた強みを活かして、様々な事業に取り組んでみようということで、元々は教育事業から始めましたが、そこから人材育成の事業、自社でラボを構えて研究開発、他社さんと共同研究・事業開発をしたりと、非常に幅広い事業を展開しております。

--サイトを拝見すると、豚肉が出てきますが(全員笑)。あれもリバネスさんのお仕事ですよね。

坂本:そうですね(笑)。畜産に興味のある社員が、リバネスで養豚をやりたいという話をしてきたんです。元々なんでもやってみようという会社なので、養豚はできませんとは言えないじゃないですか(笑)。じゃ、養豚やりましょうということで(全員爆笑)。

sakamoto

--ありがとうございました。では山川さんにお伺いしたいと思います。

山川 啓介(株式会社池田理化 営業企画部課長):私どもは理化学の実験機器を売る販売(ディーラー)業をしている会社です。会社ができて84年になります。池田理化は「いつでもそばに」をキャッチフレーズにしておりまして、科学技術の研究に関わる方々の側にいることで研究をサポートしていく、具体的には実験に用いる機器や消耗品、試薬をご提案し納入する事業をしております。

特にバイオ、ライフサイエンスの業界に実績が多いところが特長で、製薬会社や大学公官庁の研究所に日々200人を超える営業マンが19カ所の拠点からお伺いして、実験のサポートをするという仕事しております。

yamakawa

--ありがとうございました。では杉山さんお願いします。

杉山 岳文(株式会社ジー・サーチ 新規事業開発室 室長):ジー・サーチは1991年に会社名でもあるビジネスオンラインデータベース「G-Search」を提供する会社としてスタートしました。国内外のビジネスデータベースのラインナップを拡大しながら25年、事業をおこなっています。2013年の国内最大の科学技術論文データベースJDreamIII(ジェイドリームスリー)提供をきっかけに研究者向けサービスを拡充、2014年に研究者向けの事業「コラボリー(COLABORY)」を開始しました。データベースのシステム構築や各種サービスのプロモーションを含め、自社ビジネスとして展開してきた会社ですので、その開発技術力・デジタルマーケティングのノウハウを活かし、現在はデータベース事業とWeb/IDCソリューション事業の2つを柱としています。

研究者の未活用アイデアに新たな光をあてる!  | L-RADについて聞いてみた!

L-RADのアイデアの背景

--最初にL-RADのアイデアを伺ったとき、「未採択の申請書」というのが率直にすごいなと思いました。このアイデアの背景からお伺いしたいのですが。

坂本:はい、背景としては大きく二つありまして、弊社はリバネス研究費という事業に取り組んでいます。

50万円という小規模の研究費を40歳以下の若手の研究者に提供するもので、様々なスポンサーを募って、スポンサーと若手研究者を繋ぐ、研究費がハブとなる事業をやっています。延べ3,000件の申請を頂き、その中からこれまで150名近くを採択してきました。逆に言えば2,850近くは使われずにハードディスクの肥やしになっている。ここが非常にもったいないということに気がついたのが一つ目ですね。

もう一つが、こういう公募型のオープンイノベーションという取り組みをやっていると、同じような取り組みをされている企業さんとディスカッションする機会があります。こうした技術課題があって、それを解決する方法を提案してくださいと投げかけると、提案が集まってきて解決できる、短期的に非常に優れた方法ではあるんですが、中長期的な強みが持てるような技術を集めるという、本来のオープンイノベーションを起こせるかというと、なかなか難しいな、という感想をいただいています。

研究者の自由な発想をうまく取り入れていかないと、そういった技術、イノベーションの種はなかなか取り入れられない。では、研究者の自由な発想ってどこで得られるのか、いろいろ考えてみると、ひとつは科研費などの公的競争的資金に申請したアイデアなんだろうと。調べてみると毎年約10万件の申請があって3万件弱が採択されていました。

逆に言えば採択されなかった7万件の申請書は使われずに残っている。リバネス研究費と同じ構図がそこにありました。その採択されなかったものを閲覧できる状態、いろいろな企業さんがそれに対して手を伸ばせる状態を作れば、これはイノベーションの種というものを企業が手に入れられる近道を作れるのではないか、ということでL-RADを発想しました。

--どのぐらい前からお考えになっていたのですか。

坂本:2年ぐらい前ですね。実際にリバネス研究費を7年やっていて、着実に知名度は上がっているのですが、一方で7年経っても150人ほどしか採択できない、交流が産めない。世の中を加速度的に変えていくというには至らない。それをL-RADというシステムがあれば、研究者と企業との間をもっとうまく繋いでいでいけるのではないか。

2年前、ジー・サーチさんとお会いしたときに、もしかしたらうまくできるかも知れない、とお話をさせていただきました。池田理化さんとはずっと仲良くしていただいていたのですが、この文脈であれば池田さんにも事業主体として入っていただいて、十分なメリットがある。じゃ3社でやってみましょうと。

--似たようなことを考えた人はいると思うんですよ。ただ、これをここまで持っていったことが単純にすごいと思います。研究者自らに登録していただく、というのはどこからの発想ですか。

坂本:リバネスはいろいろな研究者とコミュニケーションを取って、様々な形で仕事をしていました。リバネス研究費を通じて研究者に少額ですけど研究費を提供する、というところで研究者の認知度も上がってきています。我々がお誘いをしたときに、反応してくれる研究者は少なからずいるであろうと思ったのです。

我々が旗を振って、新しい取り組みに参加してみませんか、という気持ちでフロントをやろうと決めました。

--やはりリバネス研究費がこのアイデアに結びついたのですね。

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