iPSポータルとの提携による研修プログラム

佐野:テンプスタッフは、スタッフ向けに様々な研修プログラムを提供しています。HPLC研修(注1)やPCR研修(注2)などバリエーションもいろいろで、実践的な研修を実施しています。細胞培養技術の研修も関東では専門機関とアライアンスを組んで実施していました。関西でも細胞培養研修を実施すべく、研修パートナーとしてiPSポータル様と提携することになりました。

iPSポータル様はiPSアカデミアジャパン株式会社から独立した組織で、「iPS技術を社会に広める」というミッションのもと、事業を展開されています。当初、私たちが考える細胞研修とiPSポータル様がこれまで提供していた研修とでは、レベルが異なっていたのですが、話を重ねる中で、まずは細胞培養ができる人材の層を増やすことが、将来的なiPS技術の発展に近づくと、お互い考えるようになりました。「iPS細胞技術を世に広めるための人材教育」というiPSポータル様の考えと、「細胞培養ができるスタッフを増やしたい」というテンプスタッフの考えが合致したことで今回のスキームが実現しました。

1回の研修で8名くらい、四半期に関東関西で1回ずつを予定しています。選考は東京と大阪で、研修は神奈川と京都で、2週間のうち平日8日間というスケジュールです。

杉山:iPS細胞技術が普及する一方で、細胞培養技術者が不足するとの課題があると思いますが、実際にクライアントからの引き合いなどはいかがですか?

佐野:はい、細胞培養ができる人材が欲しいというご要望はたくさんいただいておりまして、理系人材の中でも枯渇感があります。細胞培養は植物や動物、ヒトなど対象によって必要とされる技能が異なりますが、ベースとなる技術者の要件として「設定されたルールがきちんと守れる」「段取りが自分でイメージできる」「手先が器用」「手際がいい」というのがありまして。

杉山:なんか料理と似てますね。

佐野:そうそう(笑)。クライアント様も必要なものは「センス」とおっしゃるのですが、手先の器用さというか、「あの人はうまい」「あの人じゃなければできない」といったことが出てくる職種なんです。もちろん、無菌状態での手技操作の基礎や知識は必要ですが、手先の器用さやセンスが重視されます。iPS細胞により市場が拡大していく中、理系だけのくくりだけではなく、広くそのような技能や素質を持つ人を育てていく必要があると考えています。

杉山:だから「普通の主婦」にも、という話になるんですね。

佐野:はい。8日間の研修で研究開発部門の現場で最も重視される安全面の教育はしっかり受けられますし、ルールも教わります。基礎はある程度固まりますから、「あとは実技の数をこなす」事が肝心です。コース修了者に対してはテンプスタッフがフォローします。これまでのお取引で紹介先は確保できていますし、今回のプレスリリースで、定期的に人材を必要としている企業、研究機関など数社よりすでにオファーをいただいております。

細胞培養技術者の事前セミナー・研修の流れは?

杉山:既に初回の説明会を終えてますが、本当に主婦の方、来られました?

佐野:説明会を10月1日と7日に大阪で行いました。11月9日より第1期生の研修がスタートします。初回の説明会には80名ほどが集まりました。主婦かどうかは分かりませんが(笑)、20代から40代まで幅広く参加いただき、みな真剣で熱意のある方ばかりでした。「今後、様々な病気の治療法として期待されているiPS細胞の開発に自分が携わることができる」ということに意義やステイタスを感じる、という声が多かったです。

日本では高校のある一時期に文系・理系が決まってしまいますよね。iPS細胞技術に「リプログラミング」という言葉があり、これは一度ある特定の種類に運命が決まってしまった体細胞がどのような細胞種にでもなれるiPS細胞へと変身することを指しています。人材に対しても文系でやってこられた方が、この研修を受けることによって数週間後に細胞を触っているかもしれない、そういう人生の「リプログラミング」とも呼べる機会に価値を感じる、という声が印象的でした。

細胞培養技術者の事前セミナー・研修の流れ

杉山:説明会で「選考」を行うということですが、実際にどのような選考が行われるのですか?履歴書などをベースに面談するのですか?

佐野:いえ、履歴書の提出などはありません。当日はiPSポータル様の研修講師の方が、メディカル業界全般のお話やiPS技術が担う責任、職場となる環境のお話や模擬実験をしていただきます。その後に希望する参加者に残っていただいて、模擬作業や適職診断をやっていただく、というのが当日の流れになります。

今回募集したのは「初級」、いわゆる未経験者が対象でしたが、経験者の方には、自分の実技レベルをiPSポータル様に診断いただき、今後のキャリアプランに関する相談・アドバイスから、希望者の方にはスキルアップ研修やiPS細胞技術者になるための研修の提供などを行っていきます。スタッフの技術レベルに応じて層別に展開を行っていきますが、iPSポータル様とは、「何年か後にこの導入コースを受講いただいた方から iPS細胞の培養業務に従事する人を輩出すべく育てていきたい」と話しています。

研究の仕事を諦める前に相談して欲しい

杉山:テンプR&Dは「理系のお仕事」に特化されていますが、どのような方が応募されているのですか?

佐野:当社は「(人材)派遣/紹介」も「転職支援」も双方行っていますので、理系の職種に就きたい人がご相談にいらっしゃいます。ひとくくりに「理系」といってもいろんな分野がありますよね、化学、物理、生物、工学から、医歯薬学と。その方々にマッチする仕事を探すには、ご紹介する何倍も案件を集めておかないと、適切なマッチングができないのですが、テンプスタッフは「その方にあった仕事を紹介する」ことには自信があります。

1人単独で転職活動をするというのはやはり限界がありますし、テンプスタッフにはいろんな情報も集まっていますから、転職や派遣をお考えの方には、「はやめにお話しをしに来ませんか」と言っています。キャリアカウンセラーもいますし、営業が日々お客様をまわって収集してくる生の情報と、個々の面談により「働く方一人一人の顔をみたアドバイス」ができるのはテンプスタッフの強みです。

杉山:「顔をみたアドバイス」ですか。ホームページに「登録」とありますので、登録すると紹介企業の一覧がメールされてくるのかと思っていました。

佐野:あ、それ全然違います。テンプスタッフは面談を重視しています。面談は、転職の明確な目標を持っていない早期の段階が最も効果的です。どのようなキャリア展開が可能なのか一緒に考えていきましょう、という姿勢でのぞんでいます。「スキルアップできるような仕事をしたい」「自宅の近郊で働きたい」など、転職は一人一人違うものですから、その方個人個人にマッチした仕事を紹介しています。新卒やはじめての転職では面接の実技などの講習も役に立つと思いますし、様々な研修プログラムを提供していますので、ぜひ活用していただきたいですね。

杉山:最後にコラボリーの読者にメッセージを。

研究を仕事にしたいと思いつつも就職がうまくいかず、研究の仕事を諦めてしまっている人が少なくありません。テンプR&Dがフォローしますので、諦める前に、ホームページをのぞいて相談に来てもらえればなと思います。

杉山:ありがとうございました。

注1)HPLC:High Performance Liquid Chromatography, 高速液体クロマトグラフィー
注2)PCR:Polymerase Chain Reaction, ポリメラーゼ連鎖反応


理系専門人材サービス テンプR&D

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