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コラボリー連載企画「研究の現場で聞いてみた!」。今回、コラボリー/Beats! 編集部は「テンプR&D」というブランドでお馴染み、テンプスタッフ株式会社で理系人材を専門に扱う研究開発事業本部を訪問。「医薬品開発CRO メディクロス社の株式取得」、「iPSポータル社との業務提携による iPS細胞の培養技術者の人材育成」という2つの大きな取り組みを発表したテンプR&Dを取材しました。

インタビュー前編はCRO(注1)として医薬品開発分野の臨床開発支援サービスを展開するメディクロス社の株式取得の意図と今後の展開について、テンプスタッフ株式会社 研究開発事業本部 柿原部長にお話をお聞きしました。

テンプスタッフ株式会社 研究開発事業本部 東日本営業部長 柿原 幹多 様
聞き手:株式会社ジー・サーチ新規事業開発室長 杉山 岳文
インタビュー 2015年10月15日

テンプR&D/研究開発本部の事業

杉山:今回、メディクロス社 の株式を取得した、と発表されましたが、CRO業務は研究開発本部ではどのような位置づけにあるのですか?

柿原:はい。「テンプR&D」ブランドを展開する研究開発事業部は、もともと製薬企業のお客様を担当するメディカル事業部と、研究開発を担当する事業部の2つが一緒になって発足しました。メディカル事業はもともと臨床開発部門を中心に、市販後、薬事、安全性部門へ専門職の派遣を行っていた部門ですが、現在は全部門に対しサポートをさせていただいております。事業の大半は人材派遣です。業務委託も行っていますが、内容としては専門部隊のサポートを中心としたオフィスワークです。

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メディクロス社株式取得の狙いは、お客様と働くスタッフのニーズにこたえるため

杉山:メディクロス社は CRO の中でもモニタリング業務(注2)を多く手がけていると思いますが、株式取得の狙いを教えていただきたいのですが、この領域の事業を強化したかったのですか?

柿原:それもありますが、理由としては「派遣先企業」と「派遣先企業で働くスタッフ」について、それぞれあります。リーマンショック以降、製薬業界においてアウトソーシングを活用する動きがより活発になりました。このアウトソースが拡大するという局面において、「人材派遣」というスキームだけでお客様のニーズに対応するのが難しくなってきたという側面があります。また一方で求職者側、つまり派遣するスタッフについて、専門領域がプロセスごとアウトソースされている状況ではテンプのメディカルで働いているスタッフの「キャリアアップ、キャリアチェンジをしていきたい」といった希望に応える職場を紹介できないという課題も出てきました。

しかし近年、お客様からは専門領域とサポート業務の両方をハイブリッドで対応して欲しいという依頼が増えています。テンプの強みのひとつは派遣できる「スタッフの数と層の厚さ」。でも専門領域実務への対応には限界がある。逆に CRO 企業の悩みは、専門領域実務は出来る人材はいるが、多様な人材について人数を用意できない。ならば、テンプが CRO と一緒に取り組むことで製薬企業のお客様のニーズにこたえる幅が広がるだろう、と考えました。

製薬のお客様のニーズに対応したい、スタッフの次のキャリアステージを用意してあげたい、という2つの課題に対応するのが今回の取組みです。

メディクロスとテンプスタッフのシナジーを発揮したい

杉山:CRO 各社とはこれまでも人材派遣での連携は行っていたと思いますが、メディクロス社を傘下に加えた意図をお聞かせいただきたいのですが。

柿原:テンプR&Dとしては製薬/メディカルのお客様に対し、基礎研究から最終的な販売まで、テンプスタッフのサービスで対応できるという体制を作っていきたい。「製薬企業のお客様の人材ニーズにトータルで対応したい」というのはメディカル事業部門を作った当初からの思いでした。メディクロスは現在、モニタリングを中心に展開していますが、テンプと組むことで人材の募集や販路など事業を拡大するシナジーが生まれると考えています。例えば、メディクロスのモニタリングの専門スタッフについても、テンプスタッフグループの一員になることで、セカンドキャリアや一時的な休職や内勤対応など、人材の流動性も担保できますし、様々な提携効果を出していきたいですね。

杉山:スタッフ、つまりメディカル業務の担い手の採用トレンドはいかがですか?

柿原:テンプスタッフには PVネクスト というグループ会社があるのですが、製薬の安全性を専門に事業を行っています。この会社ではスタッフは自宅にいながら、例えばお子さんがいらっしゃる女性が、製薬の安全性支援業務において活躍できる場を提供するという仕組みを作っていこうとしています。

メディクロスのような事業においても、モニタースタッフがご家族の転勤などの事情で遠地に住んでいたとしても、フルタイムでなくてもこれまでの専門性を活かせる職場を提供することは大切ですし、今で製薬の非臨床の研究開発支援で頑張っているスタッフについても、次のキャリアステップ、またはキャリアチェンジのきっかけを提供できたらと考えています。今回、iPS 細胞の培養技術などの研修プログラムを提供する事業を開始しますが、それ以外にもレギュレーション、実技など様々な研修などは行っておりますし窓口も設けています。いわゆる理系人材のキャリアチェンジのきっかけになるような機会を作っていければと思っています。

杉山:ありがとうございました。

理系人材の職場のマッチングだけでなく、様々な研修プログラムなどをキャリアアップのきっかけを提供しているテンプスタッフ。クライアントであるお客様だけでなく、そこで働くスタッフのキャリアの両軸で事業課題を捉えているという発想が新鮮でした。次回は、「主婦でも iPS 細胞の培養技術者になれる?」注目の再生医療「 iPS 細胞」技術者の人材育成事業についてのインタビューをお届けします。

注1 CRO:医薬品開発受託機関(Contract Research Organization)
注2 モニタリング業務:治験の進行状況を監視し、治験が様々な法令やルールに従って実施、記録及び報告されている事を確認する活動
テンプホールディングス 薬品開発のCRO「メディクロス」の株式取得 ~医薬品開発分野を強化 質の高いサービス提供を実現~(プレスリリース)