研究資金の需要と供給のマッチングで、若手研究者の活動を応援するコラボリー/Beats!。今回、Beats! 編集部は研究助成団体として40年以上の歴史をもち、日本の民間研究助成の草分け的存在である 公益財団法人トヨタ財団 を訪問、研究者としては気になる採択率アップのポイントを取材してきました。

公益財団法人 トヨタ財団

トヨタ財団とは

トヨタ財団は1974年トヨタ自動車工業株式会社(当時)とトヨタ自動車販売株式会社(当時)の出損により設立されました(2010年からは公益財団法人)。「人間のより一層の幸せをめざし、将来の福祉社会の発展に資する」ことを基本理念とし、生活・自然環境社会福祉教育・文化を主な領域として、多領域に亘る社会の課題に対応するため、これらに関する研究ならびに活動に助成を行っています。

トヨタ財団の研究助成 は「社会の課題解決や価値の創造に寄与する研究」に助成することを目的としていることから、2014年の採択課題 をみても人文学・社会学・環境学・工学・農学・芸術と、特定の学術的な専門領域に捉われることなく、非常に幅広い分野の研究に助成する特長があります。また助成対象も大学や研究機関だけでなく、個人やNPO法人、一般企業と幅広いことも特色です。

現在公募中でもある 2015年度 研究助成 は「社会の新たな価値の創出をめざして」というテーマに基づき公募しており、1億円(共同研究助成:約8,000万円、個人研究助成:約2,000万円)、共同研究助成は年間400万円程度まで/件、個人研究助成は年間100万円程度まで/件を助成します。

採択率は 4.5%と非常に競争率が高い助成金ではありますが、採択率をアップさせる秘訣を研究助成グループ グループリーダーの大庭竜太さんにヒアリング、編集部なりにまとめてみました。

財団の公募主旨を理解する

民間の助成プログラムは一般的に科研費などの公的助成プログラムに比べ採択率は高くはありません。研究資金の確保のためにはある程度、数を出す必要があるのですが、採択率を高めるためには財団の公募主旨に沿った応募を行うことが基本です。トヨタ財団の場合は、公募主旨が一見抽象的ですが、明確な採択方針があるようです。この方針にそもそも自分の研究がマッチするのかを確認した方がよいと思います。

2015年度募集要項(PDF) に具体的な記載・例示がありますが、助成の対象が 社会課題の解決に資する研究であり、かつ社会の新たな価値の創出をめざす研究であること が求められるようです。つまり、研究プロセスや成果が実際に社会と密接な繋がりがあるもの、フィールドワーク的な活動が求められます。後述しますが、優れた研究テーマであるだけでなく、研究が公共の価値に直接的につながっているかがポイントとなります。

次ページへ 1 2